コラム

2025.12.19

「親の会」ってどんなところ?

不安や悩みを共有しよう

不登校や子育てに関する公的支援のイメージ画像

目次

しんどいのは子供だけじゃない

不登校は「子供の問題」と考えられがちです。

しかし実際には、「子供が不登校である」という事実が、子供本人以上に、保護者にとって精神的負荷になっていることも少なくありません。

メディアなどを通じて「不登校は問題行動ではない」「どの子供にも起こりうるもの」などの情報を目にすることはあっても、実際には世間からの評価を意識して疲弊してしまったり、一人で不安を抱え込んでしまったりすることも。

そうした保護者にとって力になってくれる存在の一つが、「親の会(保護者の会)」です。

親の会とは

親の会とは、不登校の児童生徒の保護者同士が集まり、情報交換をしたり、不安や悩みを共有したりする会のこと。

自治体が開催している会もあれば、当事者(子供の不登校を経験した保護者)等が開催している会もありますが、今回は自身も子供の不登校を経験した保護者等が運営している民間の会について紹介します。

民間の会は自治体主催の会と比較して開催形態が多様で、人数も少人数の会から大規模な会まで様々です。

また、それぞれが独自に開催しているため、必ずしも「親の会」と名乗っていないこともあれば、会費の有無などもまちまち。

しかし、いずれにも共通しているのは「子供の不登校」を経験する当事者たちが、自身の経験を他の方に生かしていただきたいという想いで、お互いに支え合いながら運営していること。

もし孤独感を抱え、「同じような経験を持つ人と話したい」と感じているようであれば、一つの選択肢になるでしょう。

参加する2つのメリット

親の会に参加することのメリットはいくつかありますが、ここでは2つ紹介します。

1つ目は、孤独感・不安をやわらげることができる点です。

子供が学校に通っている家庭や世間などに対して引け目を感じ、孤独や不安を抱えている状態では、状態を改善するための前向きな意識は持ちづらいもの。

そうしたとき、同じような状況の人たちとの交流は、孤立感を解消し、安心感や前向きな気持ちになるきっかけを与えてくれるでしょう。

2つ目のメリットは、「気づき」を得る機会に恵まれることです。

親の会ではカウンセラーによる講演や、子供の不登校経験を持つ先輩保護者の話を聞く機会などが提供されていることがあります。

例えば、「中学生の子供が不登校で悩んでいたが、親の会で『今は大学生のわが子も、中学生の頃は不登校で大変だった』『こういう風につらい時期を乗り越えた』と前向きに語る経験者の講演を聞き、心がとても軽くなった」といった声もあります。

もちろん、親の会で得られる情報や体験談などは、インターネットでも似た内容を調べることが可能です。

とはいえ、「知識として分かっていても、自分としては納得できない」「つらい気持ちが先行してしまい、先のことまで考えられない」という方もいると思います。

それはおそらく、一方的に受け取る側として情報に触れているからではないでしょうか。

一方で、親の会はインターネットとは異なります。

同じような経験を持つ人たちと交流し、自身の経験などを話している中で、自然に得られるからこそ、自分事としての気づき、「腑に落ちる」情報が得られることがある。

これこそが、親の会に参加することの大きな価値だと言えるでしょう。

注意すべきこと

一方で、気を付けるべき点もあります。

民間で自主的に運営されている親の会はあくまで「同じような経験を持つ親の集まり」であり、公的な「相談機関」ではありません。

そのため、一方的に「解決してもらう」ことばかりを求めてしまうと、望む結果が得られないばかりか、他の参加者とのトラブルにつながる可能性などもあります。

最初からギブアンドテイクな関係を築くことは難しいかもしれませんが、少なくとも初めは求めすぎず、「お互い様」の気持ちで参加するのがよいでしょう。

また、親の会に参加するに当たっては、まず自分にとって「安心できる場所」であることが何より大切です。
例えば、参加する前に問い合わせフォームなどから連絡し、「自分の状況に合っているか」「雰囲気は自分に合いそうか」などを確かめてみてもいいかもしれません。

しかし、実際に参加してみないと分からないこともあります。

もし参加してみて、様々な理由から「自分には合わないな」と感じた場合は、無理をせず、その会から離れる勇気を持つことが大切です。

参加して違和感を覚えたようであれば、その会に固執せず、他の団体にも顔を出してみると良いでしょう。

このサイトでは、親の会などの民間支援を検索することができますので、見てみてくださいね。

NOTE

どんな団体であっても人の集まりである以上、人間関係で揉めてしまったり、価値観の相違等からトラブルに発展してしまう等といったことは起こり得ます。一歩踏みだす勇気を持ちながらも、それが「トラブル」になってしまわないよう、お互いを思いやったり、適切な距離を持つ気持ちは常に忘れないようにしましょう。


記事を監修した人

一般社団法人共生と共育ネットワーク 理事 木村 尙文

木村 尙文 一般社団法人共生と共育ネットワーク 理事

通信制高校の運営に23年携わり、不登校・中退・ひきこもりの支援に従事する。
アンガーマネジメントコンサルタント®。第一学院高等学校 養父校 校長。

【参考文献】


■不登校対策(COCOLOプラン等)について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397802_00005.htm